僧帽弁閉鎖不全症とは|犬の心臓病・症状・治療法を解説【用語集】

📋 この記事でわかること(要約)

僧帽弁閉鎖不全症(MVD)は、犬の心臓病の中で最も多い疾患です。小型犬・中高齢以降に多く、進行すると咳・息切れ・心不全を引き起こします。早期発見のポイント・ステージ別の治療方針・日常ケアを解説します。

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「最近うちの子、散歩を嫌がるようになった」「夜中に咳をしている」——これらは僧帽弁閉鎖不全症の初期サインかもしれません。特に小型犬の飼い主さんにとって、他人事ではない疾患です。この記事では、症状・ステージ・治療法・日常管理まで詳しく解説します。

僧帽弁閉鎖不全症とは

犬の心臓には4つの弁があり、そのうち左心房と左心室の間にある「僧帽弁」が正常に閉じなくなる疾患が僧帽弁閉鎖不全症(MVD: Mitral Valve Disease)です。弁が閉じきらないことで血液が逆流し、心臓に負担がかかります。犬の心臓病の中で最も多い疾患で、特に小型犬の中高齢以降での発症が多く見られます。

別名僧帽弁疾患(MVD)、心臓弁膜症、慢性変性性弁膜疾患(MMVD)
かかりやすい犬種キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、チワワ、マルチーズ、ポメラニアン、ダックスフンドなど小型犬全般
好発年齢中齢〜シニア(5歳以降。キャバリアは若齢でも発症あり)

主な症状と受診の目安

  • 咳(特に夜間・安静時・興奮時)
  • 疲れやすい・運動を嫌がる・散歩の途中で止まる
  • 呼吸が速い・苦しそう・口を開けて呼吸する
  • お腹が膨れる(腹水がたまっている可能性)
  • 失神・虚脱
🚨 すぐに受診が必要な症状
  • 口を開けたまま呼吸している・舌が紫色になっている
  • 急に倒れた・意識がない
  • 呼吸が非常に速く、苦しそうにしている

病気の進行ステージ

僧帽弁閉鎖不全症はステージA〜Dに分類されており、ステージによって治療方針が変わります。

ステージA発症リスクがある犬種。心雑音なし。定期検診で早期発見を目指す
ステージB1心雑音あり・心臓の拡大なし。経過観察。定期的なエコー検査を推奨
ステージB2心雑音あり・心臓の拡大あり。薬物治療(ピモベンダン等)を開始
ステージC心不全の症状が出ている。積極的な薬物治療(利尿薬・ACE阻害薬等)
ステージD薬が効きにくい難治性心不全。集中的な管理・入院治療が必要になることも

診断・治療方法

  • 聴診(心雑音の確認):定期健診で発見できる。年1〜2回の受診が重要
  • 胸部X線検査:心臓の大きさ・肺の状態を確認
  • 心臓超音波検査(エコー):弁の動き・逆流の程度・心臓機能を詳細に評価
  • 薬物治療:利尿薬・ACE阻害薬・ピモベンダン(強心薬)など
  • 外科手術:弁形成術(大学病院など専門施設で実施)

早期発見が鍵心雑音は聴診で確認できるため、年1〜2回の定期健診で早期発見が可能です。「咳が続く」「散歩を嫌がるようになった」などのサインに気づいたら、早めに動物病院を受診しましょう。

日常管理のポイント

  • 激しい運動・興奮を避け、穏やかな生活リズムを保つ
  • 塩分の少ない食事(心臓病用療法食)への切り替えを検討する
  • 定期的な受診(月1回〜)で心臓の状態をモニタリングする
  • 投薬は必ず決められた時間・量を守る
  • 体重管理(肥満は心臓への負担を増加させる)

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心臓病対応療法食フード

ナトリウム(塩分)を制限し、心臓に負担をかけにくい成分設計の療法食。心臓病の犬の食事管理に動物病院でも推奨されています。

ペット保険で万が一に備える

心臓病の治療費は長期にわたり高額になることも。ペット保険への加入で、治療の選択肢を広げることができます。

まとめ

  • 僧帽弁閉鎖不全症は小型犬に多い心臓病で、犬の心臓疾患の中で最も一般的
  • 初期は無症状のことが多く、聴診による心雑音の発見が早期診断の鍵
  • ステージB2以降は薬物治療を開始。ステージに応じた適切な管理が重要
  • 日常では塩分制限・体重管理・適度な安静を心がける
  • 7歳以上の小型犬は年2回の定期健診で心臓チェックを受けることを推奨
編集長:藤田
編集長:藤田

小型犬を飼っている方にとって、僧帽弁閉鎖不全症は他人事ではない疾患です。リリィのかかりつけ医にも「小型犬は定期的に心臓の音を聴いてもらうことが大切」と言われています。早期に発見・管理できれば、長く元気に過ごすことができます。ペット保険への加入も、万が一の医療費の備えとして重要です。