犬のブラッシングの正しいやり方|毛玉を作らない手順とコツ

📋 この記事でわかること(要約)

犬のブラッシングは短毛種で週2〜3回、長毛種・ダブルコートは毎日が理想。スリッカーで毛玉をほぐし、コームで仕上げる二段階が基本です。被毛タイプ別の正しい持ち方・力加減・部位ごとの順番まで、現役トリマーが毛玉を作らないコツを解説します。

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ブラッシングの頻度と毛質別の目安

ブラッシングの理想的な頻度は犬種・毛質によって大きく変わります。「短毛だから少なくていい」とは限らず、ダブルコートの短毛種(柴犬・コーギーなど)は抜け毛が大量に出るため、むしろこまめなブラッシングが必要です。

  • シングルコート短毛種(チワワ・ミニピン等):週2〜3回
  • ダブルコート短毛種(柴犬・コーギー等):週3〜5回、換毛期は毎日
  • シングルコート長毛種(プードル・マルチーズ等):毎日
  • ダブルコート長毛種(ポメラニアン・ゴールデン等):毎日+換毛期は1日2回
  • 巻き毛・カール系(プードル・ビションフリーゼ等):毎日

POINT 換毛期(春・秋)はどの犬種も普段の倍の頻度を目安に。抜け毛を放置すると毛玉や皮膚トラブルの原因になります。

ブラッシングに必要な道具

道具は1本ですべてカバーするのではなく、役割の違う2〜3本を使い分けるのが基本です。サロンでも毛質ごとに使い分けています。

スリッカーブラシ

L字に曲がった細いピンが密に並んだブラシ。毛玉ほぐし・抜け毛取り・ふんわり仕上げに使う万能ツールで、長毛・カール系には必須です。ピンの先端は鋭いので、力を入れすぎると皮膚を傷つけることに注意。

コーム(金属櫛)

スリッカー後の仕上げ・毛玉の有無のチェック・顔まわりの細かい部分に使います。荒目と細目が一体になったタイプが使い分けしやすくおすすめです。

ラバーブラシ・獣毛ブラシ

短毛種の抜け毛取り・血行促進・艶出しに使います。皮膚に当たっても痛みが少ないので、ブラッシング嫌いの犬の最初の一本としても扱いやすいです。

正しいブラッシングの手順

ステップ1:毛流れに沿って全体をとかす

いきなり毛玉部分から始めず、まずは全身を毛の流れに沿って軽くブラッシング。犬をリラックスさせる目的もあります。背中→脇腹→お尻→足→胸の順に進めるとスムーズです。

ステップ2:少量ずつ毛を持ち上げて根本からとかす

片手で毛を少量つかんで持ち上げ、もう一方の手のブラシで根本から毛先に向かって優しくとかすのが基本フォームです。表面だけブラッシングしても下毛の毛玉は取れません。

ステップ3:毛玉ができやすい場所を重点的に

脇の下・耳の後ろ・内股・お尻まわり・首輪のあたりは毛玉ができやすい要注意ゾーンです。コームを根本まで通せれば毛玉なしのサイン。引っかかったらその部位だけスリッカーでほぐします。

ステップ4:コームで仕上げてチェック

最後にコームを全身に通し、引っかかりがないか確認します。コームがスーッと通れば完了。引っかかる箇所が残っていたらステップ3に戻ります。

毛玉ができてしまったときの対処法

毛玉ができてしまった場合、無理にブラシで引っ張ると皮膚に強い痛みを与え、ブラッシング嫌いの原因になります。以下の順番で対処してください。

  1. 毛玉の根本を指でつまんで皮膚を引っ張られないよう固定する
  2. 毛玉の毛先側からスリッカーで少しずつほぐす
  3. 細かくなったらコームで仕上げる
  4. 大きな毛玉はハサミで縦に切り込みを入れてからほぐす(横にカットしない)

注意 大きく固まった毛玉や、皮膚と一体化した毛玉は無理せず動物病院やトリミングサロンに相談してください。無理な処置で皮膚を切ってしまう事故が毎年起きています。

嫌がる犬への慣らし方

ブラッシング嫌いの多くは「過去に痛い思いをした」ことが原因です。一度嫌いになった子を慣らすには、根気よく段階を踏むことが必要です。

  • 1〜2週目:ブラシを見せる→おやつ。触らない
  • 3〜4週目:背中を1〜2回だけ撫でるようにブラッシング→おやつ
  • 5〜6週目:背中全体を30秒ブラッシング→おやつ
  • 7週目以降:徐々に範囲と時間を広げる

「ブラッシング=楽しいこと」と認識してもらうことが何より大切です。嫌がる素振りを見せたらすぐ中断し、ご褒美をあげて終わりにします。

よくある質問

ブラッシングはいつのタイミングで行うのがベストですか?

犬がリラックスしている食後や散歩後がおすすめです。興奮しているときや空腹時は避けましょう。シャンプー前のブラッシングは必須で、毛玉のついたまま濡らすとフェルト状に固まってしまいます。

スリッカーで皮膚を傷つけてしまわないか心配です。

ブラシを「持ち上げる」ように使い、皮膚に押し付けないのがコツです。手首のスナップで毛をすくうように動かすと、ピンが皮膚に当たりにくくなります。最近はピン先が丸く加工された「皮膚にやさしいスリッカー」も多く販売されているので、初心者の方はそちらを選ぶと安心です。

ファーミネーターは毎日使っても大丈夫?

ファーミネーター(アンダーコート除去ブラシ)は強力な分、頻繁に使うと必要な毛まで取り過ぎてしまいます。換毛期でも週1〜2回程度にとどめ、普段は通常のスリッカー+コームでのケアを基本にしてください。

短時間で済ませるコツはありますか?

毎日5分でいいので習慣化することが最大の時短です。週末にまとめて30分やるよりも、毎日少しずつのほうが毛玉ができにくく、結果的に総時間も短くなります。テレビを見ながらでも、犬を膝に乗せて1日1か所ずつでもOKです。

まとめ

ブラッシングは「毛をきれいに見せる」ためだけでなく、抜け毛による皮膚トラブルの予防・血行促進・スキンシップ・そして毎日の健康チェックを兼ねた大切な習慣です。スリッカーとコームを使い分け、根本までしっかりとかすことを意識しましょう。短時間でも毎日続けることが、毛玉知らずのふわふわな被毛をキープする一番の近道です。

ライター 木村絵里
ライター:木村絵里

サロンに来店される飼い主さんから一番多い質問が「毛玉ができちゃって…」というもの。ほぼ100%、表面だけブラッシングしていることが原因です。毛を少量つまんで持ち上げ、根本にブラシを入れる——この一手間で仕上がりがまるで変わります。うちのてんてん(チワワ)でも毎晩2分だけやっていますよ。

この記事を書いた人

ライター 木村絵里
木村 絵里

現役トリマー(サロン勤務8年)。東京都世田谷区在住、愛犬はポメラニアンの「ゆき」とチワワの「てんてん」。自宅でできるブラッシング・爪切り・シャンプーなど実践的なお手入れ情報を発信中。

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